第2回「ICT活用で、わかる授業を!」
May 13, 2008/特集(/interview)
堀田龍也
マガジン記事:「教育の情報化」第2回
堀田龍也先生連続インタビュー
チエルマガジン3号の巻頭を飾り、大好評を博した堀田龍也先生のインタビュー「これでわかる『教育の情報化』」。その続編を、チエルWebマガジンでお届けします。第2回目のテーマは、「ICT活用でわかる授業」。ICTの「3つの効果」と、「2つの課題」について語っていただきました。
百聞は一見にしかず。
ICTは、学力低位の子どもに効く
子どもたちは、「勉強がわかるようになりたい」と思っています。保護者たちも、「我が子が勉強をできるようになってほしい」と願っています。そして先生たちも、「子どもがわかるようにしてあげたい」と切望しています。みんな、「わかるようになりたい! わかってほしい!」と望んでいるのです。なのに、残念ながら学力格差は無くなっていません。
この閉塞感を打破する手段として、ICTが有効だと、私は考えています。といっても、今までの授業をガラリと変えるわけではありません。たとえば、子どものノートや教科書をプロジェクタで大きく映し出すだけでもいいのです。「百聞は一見にしかず」、ということわざがありますよね。このことわざ通り、大きく見せるだけで子どもはわかるようになるのです。
もちろん、大きく見せなくても知的能力の高い子どもはわかります。でも、見ないとわからない子もいる。そういった子どもたちが勉強についていけず、自信を失い、学力崩壊を起こし、社会問題にまでなっているのです。
ICTなら、こういった子どもたちを救えます。ICTが子どもの学力に与える影響を調べる研究が現在数多く行われていますが、「ICTは、学力低位層の子どもを伸ばすのに有効である」ことが明らかになっています。口で説明しただけではわからない子どもが、ICTを使って具体的に見せることでわかるようになるのです。「授業がわかる」ようになれば自信も芽生え、学習意欲も湧き、自主学習する態度も鍛えられ、さらに学力が向上する。この好循環に子どもを導くきっかけとして、ICTは役立ちます。
ICT活用「3つの効果」
授業でICTを使えば、ここに効く!
授業でのICT活用で特に効果があるのは、次の3点です。
①繰り返し見て、覚える
フラッシュ型教材を使って、漢字の読みや算数の公式を覚えるのも、その一例。ICTなら何度でも繰り返し見せるのが容易で、学びが定着します。
②情報を共有する
子どものノートや教科書を実物投影機で映し、クラス全体で同じ情報を共有するなど。全員が素早く情報を共有することで意見交換が活発化し、考えが深まり、授業もはかどります。
③教室にないものを見せる
天体の動きや原子・分子の構造、海外の都市や自然など、「見たくても見れない」モノでも、ICT教材を使えば手軽に、リアルに見せられます。自分の目で見てリアルに感じることで、理解しやすくなります。
ICT活用の前に立ちはだかる
「2つの課題」
学力向上にICTが効くことは疑いの余地がありませんが、その活用には「2つの課題」をクリアしなければなりません。
①環境の整備
授業でICTを活用するには、使いたいときにICT機器をすぐ使える環境が整っていなければなりません。しかし、プロジェクタや実物投影機が各教室に配備されているかというと……。環境を整備するのは、行政の役割。ICTは子どもの学力向上に効くことを行政がしっかり認識し、予算をつける必要があります。行政の背中を押す意味でも、チエルマガジンで「ICTを使えば、こんなに簡単に、良い効果が出る」という実践例をどんどんレポートしてほしいですね。
②教師のICT活用指導力
ICT環境が整備されても、上手に授業で使い、指導に活かす教師の手腕がなければ成果は出ません。ですが私は、先生たちの能力を信じています。世界的に見ても、日本の教師は教える技術がとても高いのです。ただ、なぜかICTを食わず嫌いする先生が多い。敬遠せずに、まずは使ってみてください。今まで培ってきた授業方法や技術を捨てる必要はありません。授業方法のレパートリーの一つに、ICTを付け加えればいいのです。使えば、効果を実感できます。「大きく映すだけで、子どもがわかるようになる」と気付いてICT活用に取り組み始め、今や上手に使いこなしているベテランの先生もたくさんいます。
この情報社会において、ICTを使った授業を行うのは教師の責任だと言っても過言ではありません。ICT活用の第一歩を踏み出し、「わかりたい。わかってほしい」という子ども、保護者、そして先生の願いを叶えましょう。
第3回では、「ICT活用を広める研修」について、語っていただく予定です。次回のチエルWebマガジンもお見逃しなく!











