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インタビュー :韓国 DAUL SOFT社・ヤン社長(最新のe-Learning事情について)

レポート:韓国の教育現場が抱える課題と日本への助言

― 韓国 DAUL SOFT社・ヤン社長 インタビュー ―
e-Learning 先進国・韓国の教育現場が抱える課題と日本への助言

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▲東京会場のセッションには6社が参加。製品情報に加えて新製品のデモなども行われ、各社ごとの趣向がこらされていた。

 10月6日から23日にかけて、CHIeru Educational Seminar 2008が全国5ヶ所(福岡、大阪、名古屋、仙台、東京)で開かれた。これは、チエル株式会社と協賛メーカー様が、各地域の販売パートナー様を対象に、旬な情報を盛り込んだセッションや展示をするもので、今年で4回目の開催となる。
 最終日の東京・品川イーストワンタワーには、小雨の降る中、約80名が来場し、各社の新製品・主力製品情報や文教市場の動向に耳を傾けた。併設された各社の展示ブースのほうも、常に人だかりが絶えない盛況ぶり。

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▲東京会場の展示ブース。出展した9社のブースはどこも盛況で、新たなビジネスチャンスの場となった。

 来場者からのアンケートでは、「多くの企業・製品のセミナーが一度に受講できてよかった」「市場動向が大変参考になった」など好意的な感想が多く寄せられた。
 そんな盛り上がりを見せた東京会場に、来日中のDAUL SOFT社(本社:韓国。e-Teachingシステム『TeachingMATE』の開発元)のヤン社長が来場。e-Learning先進国・韓国で教育関連事業のトップメーカーを率いるヤン社長に、韓国の最新e-Learning事情を伺った。

 

e-Learning 先進国へと駆け上がった韓国:
早急なインフラ整備とコンテンツ提供で一気にe-Learningが普及

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▲DAUL SOFT社・ヤン社長。東京会場の展示ブースでe-Teachingシステム「TeachingMATE」の対応教材などを視察された。

 韓国では、13年前から国を挙げて教育現場へのICT導入を図ってきた。そして、2004年、国の助成が始まると、学校へのPCの普及が一気に加速した。小学校から高校まで、コンピュータ教室を1校につき1~3教室、PCを6人に1台の割合で配備。高速インターネットの整備も進み、インフラ対策は万全となった。
 さらに、KERIS(Korea Education and Research Information Service韓国教育学術情報院)が主体となり、教育情報総合サービス・EDUNET(エデュネット)のサイトを通じて豊富な教育コンテンツを提供。韓国の学校へのe-Learning導入が本格化した。
 ヤン社長によると、現在の韓国では、家庭でもe-Learningが取り入れられているという。
 「学生のいる家庭でのPC所有台数は1人1台を超えています。学校でも自宅でもe-Learningができる環境が整っているのです」

政府主導型e-Learningで韓国が抱えた課題の解決策:
先生がもっと活用しやすい形でe-Learningコンテンツの提供を!

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▲教育情報総合サービス・EDUNETのWebサイト。この中の「ティーチャーエデュネット」を通じて、約20万の教育コンテンツを先生に提供している。

 政府主導のe-Learning導入は早期に達成されたが、それゆえに課題も出てきているとヤン社長は語る。
 「学校の先生方は、オフライン(学校・教室)でもオンライン(e-Learning)でも中心的役割を果たすべきなのですが、残念なことに、特にe-Learningでは中心から外れてしまっています。最大の問題点は、現在韓国で提供されているe-Learningコンテンツは先生が作ったものではないことです。政府主導で進んだe-Learningに対して、先生からの反発もあります。これは、コンテンツの制作過程で充分なコミュニケーションをとっていなかったためです」
 EDUNETには、小・中・高に対応したe-Learning教材が揃っているが、それらのほとんどは、多くの予算をかけて専門会社が制作したものだという。
 ヤン社長は、先生方が進んでe-Learningに取り組んでいくためにも、教材づくりに関われる状況を整えるべきだと考えているが、そのためには現在のコンテンツの提供方法を変える必要があるという。
 「先生方がe-Learning教材を作るといっても、授業以外に多くの業務を抱える中、1から10まで作ることはできません。一番良いのは、政府が提供しているコンテンツを、先生が自分の生徒のためにレベルを修正するなどして活用してもらうことです。しかし、政府主導のe-Learning教材はコース(Course)単位でまとめてあり、一部でフラッシュなども使っているため、先生がアレンジして使うことができません。政府は、もっとコンテンツを小分けすれば良いのです。
 たとえば、理科で火山の爆発に関するe-Learning教材を先生が作る場合、火山の爆発の映像だけをフラッシュやアニメーションで提供してくれれば、先生はそれを利用して教材を作成できます。政府はe-Learning教材の材料(Asset)を提供して、先生がその他の部分を作成する。そうすれば、より先生の目指す指導に近づくでしょう」

ヤン社長から日本のe-Learningへの助言:
e-Learning 教材のパーツ提供と使いやすい制作ツールが必要

 韓国の先進的なe-Learning導入については、現在も海外から多くの視察がきているという。今回、ヤン社長が、自国のe-Learningに対してあえてこのような提言をされたのは、これからe-Learning導入が本格化する日本に対しての助言でもある。
 「日本でも、政府主導のコンテンツを用意するのではなく、先生がコンテンツ作りに参加できるような環境を整えるべきです。文部科学省が、先生が使いやすいe-Learning教材のアセット(Asset)を提供すること、そして、先生がそれをうまく利用できるような制作ツールを用意することも必要になってくるでしょう」

 日本の学校現場でも、パソコンの設置や高速インターネットの導入といったインフラ整備が進んでいる。e-Learningについても、4割以上の大学ですでに実践しており、その波はやがて小・中・高へも広がっていくだろう。
 来るべきu-Learning(携帯端末を使った遠隔教育など、いつでも、どこでも、誰でも教育が受けられるユビキタスな教育システム。次世代型e-Learning)時代を前に、このようなコンテンツや制作ツール(Authoring Tool)の準備を進めておけば、インフラが整った時、一気に学校e-Learningが活性化するのではないだろうか。


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